ダイエーレコード店長
昭和47年創業のアナログレコード店のオーナーです。ソウル、ブルース、ゴスペルが好きで夜な夜な好きなレコードを聴いています。プライベートでは、ブルースバンドのVoで活動もしております。
ジョニーギターワトソンとは・・
DAIEIRECORD店長の「酩酊談話室」
まず初めに、久しく書いていなかったこのコーナー「酩酊談話室」ですが、私自身、酒を止めて1年が過ぎましたので、このタイトルがふさわしいかどうかは、まあ、脇に置きまして(笑)久しぶりにレコードの紹介でもしましょう。
今回ご紹介致しますのは、ジョニー・ギター・ワトソンです!
アメリカ合衆国テキサス州ヒューストン出身のブルース・ギタリスト、シンガー。「クラレンス・”ゲイトマウス”・ブラウン」、「T-ボーン・ウォーカー」らテキサス系ブルースの流れを汲むサウンドを基調としながら、シンセサイザーやトーキング・モジュレーターを取り入れたファンクを展開するなど、大胆に新しいサウンド切り開いたことでも知られているブルースアーティスト。
1936年2月3日生まれ 長嶋茂雄の一学年上石原裕次郎と同じ学年です。そう考えると当たり前ですがふる~い人なんです。しかし 個人的には、この人には古さを感じないのです。
ブルースの枠に捉えられない存在
彼は、とにかく貪欲に新しいモノを積極的に取り入れる人で、70年代に入ってからは「ファンク」を取り入れ、最終的にはラップまでやっていたという、まあなんちゅう図々しい男なのです・・(笑)「ブルース」という枠だけで立ち回った存在ではないですね。
ワトソンはブルースシンガーかR&Bシンガーか、といった論争もあった程ですが、当人にとってはそんな事どうでもいいことなんだと思います。
当店が販売しているLPの紹介
ここで、当店で販売しているジョニー・ギター・ワトソンのLPを紹介いたします。(画像クリックで商品に移動)
当店でも、今まで色々なワトソンのLPを仕入れてきましたが、すぐ売れてしまう。現在ある1枚は、ジョニー・ギター・ワトソンの1963年に発売されたデビュー作品です!!(当店の販売品は1983年のViViDSOUNDによるリイシュー盤)
店頭で視聴してみました
このLPを改めて、店で聴いてみました!感想ですが、1963年のアルバムなので、当然楽曲の編曲などは時代を感じますが、その中でも、私はワトソンの歌唱に注目致しました。
この時代、歌手はもっと模範的といいますか、お行儀よく朗々と歌う人が多かったし、又、歌手とはそういうものだという概念を皆持っていたと思います。そんな歌唱を聴いて我々も、時代を感じたものでした。
ところが、このアルバムの1曲目の「CUTTIN’IN」に象徴されるように、上手に丁寧に朗々と歌う事よりも、途中でスクィーズをしてみたり、なんとなく放り投げるように歌ったりと既成の概念を覆すような歌唱を繰り広げるのである。上手くそつなく歌おうなどとは、はなから思っていない。後にギャングスターと呼ばれるにふさわしい感覚を、もう既にこの頃から持っている事に驚きました。
Johnny Guitar Watson / Cuttin’ In のサンプル音源
非常にユーモアもあり、多くのミュージシャンとギタリストに多大な影響を与えたレジェンド、ジョニー・ギター・ワトソン。
そんなワトソンですが1996年に来日するも横浜のクラブ、「ブルースカフェ」でのライブ中に心筋梗塞で倒れてしまい、そのまま息を引き取ってしまった。(うちのお客様が偶然そのライブを観に行っていたとの事 びっくり!)
亡くなり方もなんだか、ギャングスターっぽくて粋ですね、「ベットの上でなんか死なねぇーぞ」といった所でしょうか。
という事で今回は「ジョニー・ギター・ワトソン」の紹介でした。
では又・・・