ダイエーレコード店長
昭和47年創業のアナログレコード店のオーナーです。ソウル、ブルース、ゴスペルが好きで夜な夜な好きなレコードを聴いています。プライベートでは、ブルースバンドのVoで活動もしております。
前回のおさらい。ウェザーリポートとは・・
DAIEIRECORD店長の「酩酊談話室」
ウェザー・リポート(Weather Report)は、ジョー・ザヴィヌルとウェイン・ショーターの2人が中心になり、1970年に結成されたエレクトリック系サウンドをメインとしたアメリカのジャズ、フュージョン・グループであります。前回からの話の続きだと、「Black Market」のアルバムから、あの「ジャコパストリアス」が加入しています。
通算7枚目のLP「Heavy Weather」
さて、今回も前回に引き続き、
ウェザーリポートで~す。
ついてきて頂けたら幸いです(笑)
ウェザーリポートの「Heavy Weather」このアルバムは前回ご紹介した、「Black Market」の次のスタジオ録音盤になります。通算7枚目のアルバムですね!!
このアルバムも又、ばっちりとジョー・ザビヌルの理想郷の世界が展開されています。
マイルス・デイビスのバンドと比較
ウェザーリポートは、マイルス・デイビスのバンドと比較されがちです。その理由としては当時ジャズから離れ、シンセなどの電化サウンドでもって躍動するクロスオーバーサウンドを奏でていたという事と、バンドの中心メンバーである、ジョー・ザビヌルもウェインショーターもマイルス・デイビスのコンボに参加していた事もあり、そこから派生したミュージシャンであるという事もその理由の一つであろう。
しかし、即興演奏を中心に展開するマイルス・デイビスのバンドと違い、ウェザーリポートは、きっちりと練られた曲を再現する為の練習を徹底的にしたバンドという違いがある。
これは、バンドのあるべき姿としては、全く真逆であり、ある意味興味深い!
「ヘビーウェザー」を聴いてみた
A-1曲目「Bird Land」
A面の1曲目「Bird Land」ジョー・ザビヌル作曲「Bird Land」。この曲がこのアルバムの中でも注目の一曲で、ニューヨークの有名なジャズクラブ「Bird Land」で聴いたカウントベイシーバンドの思い出から生まれた曲で、後にマンハッタン・トランスファーなどにもカヴァーされている。ここでジャコは、人工ハーモニクスというテクニックをイントロで聴くことが出来る。(伸ばした指にカポの役割を担わせ、その後ろで出すハーモニクスの事)
Bird Landのサンプル音源
A-2曲目「A Remark You Made」
2曲目の「A Remark You Made」ジョー・ザビヌル作曲。この曲は、ジャコの歌うようなフレットレスベースのトーンを具体的に思い描いて作られた曲である。ジョー・ ザビヌル曰く「あいつは曲にしやすいサウンドを持っていた。特にバラードでね、彼のトーンは他のベーシストとは違う、別のカテゴリーに属しているよ」と言っていたようにジャコを高く評価していた。
A Remark You Madeのサンプル音源
A-3曲目「TeenTown」
A-3曲目「TeenTown」!!ジャコ・パストリアス作曲。ジャコの代表的な曲のひとつで、この曲ではドラムも叩いている。(子供の頃はドラムを叩いていた)
この曲を、ベースで正しく引くには相当の技術がいるそうです。4小節のコード進行が、実はこの曲の全てだ。それを4回、違うメロディを載せて16小節、これでテーマが成り立っている。出てくるコードは全てドミナント7th。アレンジの妙が光る。
TeenTownのサンプル音源
A-4曲目「Harlequin」
A-4曲目「Harlequin」ウェインショーターの曲です。ジャコの素晴らしく雄弁なベースの動きが又良い、ゆったりと浮遊し深呼吸するメロディの行間を埋めるように跳躍を聴かせたり、重音でグリッサンドを試みたり、思索的なショーターのソプラノの対旋律を歌ってみたりと、聴き入るうち あっという間に終わってしまう。
Harlequinのサンプル音源
B-1曲目「Rumba Mama」
B-2曲目「Rumba Mama」は、バレドーナとアクーニャの作曲です。前年夏のモントルー・ジャズフェスにおけるライヴ音源から、二人のパーカッション奏者による熱いアンサンブルが短く編集されている。バドレナの雄叫び、アクーニャのタイトなパーカス、が素晴らしい。
Rumba Mamaのサンプル音源
B-2曲目「Palladium」
B-2曲目「Palladium」ウェインショーターの作曲です。長い休符を効果的に用いたリズミカルなナンバーで、ジャコのよく歌うベース・パートが魅力的。転調を繰り返し重ねてゆき、やがて到達する開放的なリフレインが素晴らしい。ウェストミンスター宮殿の時鐘のメロディを連想させるもの。ここでジャコは、フロリダの盟友オセロ・モリノウから借りてきたのだろうか、カリブのスティール・パンを「鐘の音」に合わせるように打ち鳴らすという。粋な演出をしている。
Palladiumのサンプル音源
B-3曲目「The Juggler」
B-3曲目「The Juggler」ジョー・ザビヌルの作曲です。ここでもエスニカルなメロディ・ラインが、ここちよい、美しい、空想的な世界感は素晴らしい、ストーリー性もあり自然との調和など、ジョー・ザビヌルの一貫しているテーマが伺える。
The Juggler のサンプル音源
B-4曲目「Havona」
B-4曲目「Havona」ジャコ・パストリアス作曲です。このアルバム中でも、屈指のジャズ・ナンバー。アクーニャの鋭いドラミングとジャコの正確無比なパッセージがかっこいい!ラストへの展開での、ジャコとウェインショーターの16beatの掛け合いが見事!!ジョー・ザビヌル曰く「ジャコのスタミナは驚異的だったね、十六分音符のラインを、ものすごい速いテンポで繰り返し弾き続け、まったく遅くなったりしくじったりしなかった。」
Havonaのサンプル音源
という事で、「Heavy Weather」如何だったでしょうか。
ちなみにこのアルバムは、グループ最大のヒット作になります。
ここらあたりから、フュージョン界を牽引する、押しも押されぬスパーグループになっていくわけであります!!
今回は、「前編」「後編」に分けて、私なりの「ウェザーリポート」を綴ってみました。ご拝読、有難うございました。では、又・・・・
今回も閲覧いただき有難うございました。最後に、当店で販売している「ウェザーリポート」のLP盤です!!